子どもを怒ると叱るの違いとは

怒ると叱るの違いとは?なぜ怒ってはいけないの?

子育てでよく言われるのが、「怒る」と「叱る」は違うということです。
「怒る」は自分の感情を相手にぶつける行為を指し、「叱る」とは感情を抑えて理性をもって話しかける行為を指します。
子育てにおいては、感情に任せて怒るのではなく、理由を丁寧に説明し、子どもが納得するように叱ることが重要です。

しかし、「頭では分かっていても、つい怒鳴ってしまうこともあるよね…」と思う方も多いのではないでしょうか。
私もその一人で、特に仕事が忙しいときや心が疲れているときは感情の制御が難しく、怒ってしまうことがありました。
しかし、今はどんなに疲れていても怒るというモードになることはありません。
なぜなら、怒るということについて、未熟な私なりに一生懸命に考えてみたからです。

まず、怒ることと叱ることを比べてみましょう。
怒るときは感情をつかさどる右脳が働きますが、叱ることは理性が働きますから、左脳の働きによって起こります。
また、怒るのは親が自分の感情を爆発させるために行いますが、このとき、子どもは親にとって支配するべき対象です。
一方、叱るのは親が子どものためを思って行う行為で、子どもは親と同じ人格をもつ人間として扱われます。

さらに、怒るという行為は子どもが行った過去の行動を問題視し、彼らをコントロールしようとするものです。
これに対して叱るという行為は、子どもの将来がより良くなることを目的に行われます。
つまり、怒ることは親が子どもを批判する行為であり、叱ることは親が子どもを成長させようとする行為です。

このように見ていくと、「怒る」という行為は躾や教育ではなく、単に親が自分の気持ちを満足させるために行っている支配行為であることがわかります。
子育てには何ら貢献しないどころか、怒る親の元で育った子どもは自主的に考える能力が育ちにくく、言われたことしかできない傾向があると報告されています。

子どもに伝わる効果的な叱り方とは?

大切なのは、子どもにどう伝えるかを考えながら叱ることではないでしょうか。
叱る際のコツについて、子どもの保育園の園長先生から次のようなポイントを教えてもらいました。
まず、その場ですぐに「よくない」と伝えることで、これは後から叱っても子どもは忘れてしまっていることがあるからです。

そして、くどくど怒らないことも大事です。
「飛び出したら危ないよ」「熱いからやけどするよ」など、伝えるべき事柄を明確に、そしてシンプルに伝えるのです。
特に乳幼児は、くどくどと説明しても意味は理解できません。
危険なことや他人を傷つけるかもしれないことを、的確に伝えるようにしてください。

そして、叱るときは相手の目を見て、声はやや低めを意識しましょう。
目を合わせて声のトーンを下げることで、子どもは自分に言われていることを理解しやすくなると言われています。